「黄色い皮」
一芳亭では、小麦粉で作られた普通の皮で包むのではなく、手製の薄焼き卵で作った皮でひとつひとつ丁寧に包んでおります。
戦後、小麦粉が手に入らず、薄焼き卵を代用したのが始まりで今でもその製法でしゅうまいを作っております。
中の具は、豚ミンチ肉、エビ、タマネギのみじん切りを塩、コショウ、しゅうゆなどで味付けし、片栗粉でつないだもので、至ってシンプルです。ただ、こだわりとして、やわらかな甘みを出すために淡路島産のタマネギを使っています。
メディア掲載・出展
読売新聞
人それぞれに、その土地の味があります。食べると、その街の記憶がよみがえるような。東京で生まれ、勤務経験も横浜と東京だけの
私にとって、大阪の味といえば、難波の中華料理店「一芳亭」のシューマイです。頬張ると、大阪のにぎやかさで、気取らない光景が浮かんできます。
<中略>
「新しいもの古いもの」池波正太郎
この店は、知る人ぞ知る大阪の〔名店〕である。
安いとうまいがむすびつかぬ現代だが、この店の日本風中国料理の味わいと勘定は、まさにむすびついている。
十六年ほど前、大阪ミナミの盛り場を南へ外れた道具屋筋近くの河原町に、一芳亭の小さな店を見つけ、ふらふらと私が入ったのは、この店がハチ切れんばかりの活況を呈していたからだとおもう。
いまも、開店と同時に、調理場と客席が一体となって活気を発散させる。
名物の卵シュウマイと、ついたままの皮がカリカリと香ばしい若鶏のカラ揚げで、
熱い飯をほおばる人びとのエネルギーが、あたりに充満する。
しゅうまい
~中略~
一芳亭は、1933年創業の、難波で「華風料理」を看板に揚げる店である。「中華」ではなく「華風」なのは、中国料理を真似ながらも、日本人の口に合うようにアレンジしているのだというメッセージ。外観は「町の中華屋さん」にしか見えない店なのに、醤油味を利かせた、微妙に和風に近い中華料理を食べさせる。
~中略~
●一芳亭の詳しい紹介はこちら